Provarの最新の製品アップデートはこちら:Winter'26 Release 1 (外部サイトに接続します)

ADOC x Provar

【ブログ】AgentforceのPoCはなぜ失敗する? テストの重要性とProvarの価値とは を公開

AgentforceのPoCはなぜ失敗する? テストの重要性とProvarの価値とは

Agentforceを使った高度な業務自動化に向けて、AIエージェント活用のPoC(概念実証)に取り組む企業や導入サービスが急速に増えています。一方で、PoCはある程度成功したはずなのに、

●本番で不具合が頻発する
●テストが回らずリリースが遅延する
●結局、人手の確認が増えている

といったリスクに直面することが少なくありません。その原因の多くは、Agentforce自体にあるのではなく、主にPoCにおける「テストの進め方」と「ツールの使い方」にあります。

このブログ記事では、「AgentforceのPoCをどう進めるべきか」、「どこまでをPoCで確認すべきか」、「Agentforce Testing Center(テストセンター)とProvarの役割」について、分かりやすく解説します。

なぜAgentforceのPoCは「うまくいったのに失敗する」のか

従来のSalesforce開発では、画面が動くか、フローが通るか、またApexが期待通りかなど、PoCの指針は比較的シンプルでした。しかしAgentforceが介在することで、状況は一変します。これはAIが「考えて、判断し、次の行動を選ぶ」からです。

ここで多くのPoCが、無意識のうちに、「AIがそれらしい答えを返した」「エージェントが動いた」「業務が一応つながった」などの評価を優先しがちになります。これ自体はPoCとして間違いではありません。
ただし、AIエージェントを実務に展開するテストの観点としては致命的に足りないのです。

Agentforce PoCにおいて共有すべき前提

AgentforceのPoCにおけるテストでは、まず次の前提を共有する必要があります。

●AIの揺らぎを伴う判断は、テストの“期待値”にならない
●AIは毎回同じ判断をするとは限らない
●同じ質問でも、表現が変わることもありえる

つまり、「この文言が返ること」、「この推論になること」をテストで固定してしまうと、テストはすぐに壊れてしまいます。Agentforce PoCで検証すべきなのは、AIの判断ではありません。PoCで検証すべきは“結果”です。では、何を結果として検証すべきなのでしょうか。答えはシンプルです。

●Salesforce上に正しいデータが作られたか
●業務フローは最後まで成立したか
●想定外の分岐でも破綻しないか

つまり一連の「破綻のない結果」です。Agentforceはあくまで起点であり、業務の真実はSalesforce上の状態にあります。この視点を持てるかどうかで、PoCの質は大きく変わります。

Agentforceテストセンターはどこまで使えるのか

Agentforce には純正のテストセンターが用意されており、これは基本的に単一(シングルターン)検証のための有用なツールです。ただし、役割を正しく理解する必要があります。

下記はPoCでAgentforceテストセンターが得意な役割です。このように、「このエージェントは、どういう入力にどう反応するか」を見るには最適です。

●エージェント単体の動作確認
●プロンプトや設定の検証
●初期設計段階でのPoCで利用

ただし、ここに限界があります。Agentforce テストセンターは、「Salesforce全体を横断する」「複数エージェントが絡む」「回帰テストとして繰り返す」といった用途には向いていません。理由は単純で、複雑なマルチターン発話の検証の実行や、業務全体をテストする設計ではないからです。

PoCで見落とされがちな「多層エージェント」の現実

一方、本番のAgentforceは、ほぼ確実に、「エージェントAがデータを作成 → エージェントBがそれを引き継ぐ → 別の自動処理が並行して動く」―このようになります。
PoCで単一エージェントしか見ていない場合、本番で初めて“壊れ方”を知ることになるかもしれません。PoCの段階で壊れ方を見ることが、ある意味、最大の価値といえます。

ここでProvarの役割が見えてきます。Provarは、実務レベルのマルチターン検証に対応していますが、AIの挙動だけをテストするツールではありません。Provarの本質はSalesforceを深く理解した独自のメタデータ駆動型のE2Eテスト基盤です。AgentforceのPoCにおいて、Provarが力を発揮するのは次の点です。

Provarが果たす役割①:「結果」を安定して検証できる

ProvarはSalesforceのオブジェクト(項目、関連性、Flow実行結果など)を直接理解します。そのため、AIの文言が変わっても、また実行順序が多少前後しても、業務結果が正しければテストは成功します。これは Agentforce時代の新しいテストにおいて、極めて重要です。

Provarが果たす役割②:E2E、マルチエージェントを前提にできる

Provarでは、以下をE2E(エンドツーエンド) で再現できます。

●複数のAgentforce起動を含むシナリオ
●Salesforceをまたいだ業務フロー
●データ競合や例外パターン

PoCの段階で、「本番で起きそうなややこしい状況」を小さく再現できることは、そのまま本番品質につながります。

Provarが果たす役割③:テストデータ運用を自動化できる

Agentforceテストでは、人が用意した静的なテストデータはすぐに破綻します。Provarによって、

●テスト開始時にデータを作成
●テスト中にAgentforceが更新
●テスト後に自動削除

という流れを自然に組み込めます。これはPoCで見落とされがちですが、実運用において回帰テストにスムーズ移行できるかどうかの分岐点です。

PoCがそのまま「最初の回帰テスト」になるか

ここが大切なポイントです。良いPoCとは、「一度動いたら終わりではなく、何度でも回せる」PoCが理想です。Provarで作られたPoCシナリオは、下記を実現できます。つまり、PoCへの投資を無駄にすることなく、貴重な資産になるのです。

●そのまま本番の回帰テストに引き継がれる
●シナリオを横展開することができる
●CI/CD環境に容易に接続できる

人とAI、そしてテストツールの役割

最後に、最も重要な視点は、すべてを自動化しようとしないことです。AgentforceのPoCでよくある失敗は、「AIもテストも全部自動化しよう」とすること。現状、正しい役割分担をこのように考えます。

●人が見るべきもの
―AIの判断の妥当性
―業務ルールの解釈

●自動化すべきもの
―業務が成立しているか
―データが壊れていないか
―回帰で壊れていないか

AIエージェントのPoCにおいて、Provarの役割は、人が考える余地を残すための自動化です。

まとめ:PoCの進め方が変わると、ツールの評価が変わる

AgentforceのPoCは、単なるAI会話の技術検証ではありません。

●本番で壊れることはないか
●変更やバージョンアップ時に回帰テストが回るか
●人が疲弊したり、リソースが不足しないか

を見極める工程です。その視点に立ったとき、Agentforceテストセンターは「設計・確認の場」であり、Provarは「業務の成立を守る基盤」という役割分担が、自然であることが分かります。もしPoCの段階で、このテストは将来も使えるだろうか、本番で同じことが起きても検証できるだろうかと感じたなら、それはProvarを検討するべきタイミングです。

Agentforce時代のテストは、「AIをどう動かすか」ではなく、「業務をどう守るか」という観点に変わっています。その変化を受け止める準備ができたとき、Provarの価値は、きっとはっきり見えてくるはずです。
なお、Provar製品を熟知するアドックインターナショナルは、Salesforce/AgentforceのPoCから運用を成功に導く技術サービスを提供しています。詳しくは「お問合せ(CONTACT)」 までご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1:Agentforceのテストが従来のSalesforceテストと異なる点は何ですか?

A:最大の相違点は「非決定性(確率による挙動の揺らぎ)」です。従来のテストは「入力に対して常に同じ出力」を期待する決定論的なものでしたが、AIエージェントは状況により応答が揺らぎます。そのため、単発の応答確認ではなく、データ整合性を含む業務フロー全体を網羅した検証が必要になります。

Q2:Agentforce Test CenterとProvarはどう使い分けるべきですか?

A:テストセンターは「モデル品質」、Provarは「業務品質」の担保に使い分けます。テストセンターはプロンプトの妥当性やガードレール検証に適しています。一方、Provarは複数回の対話(マルチターン)を通じた一連のビジネスプロセスや、Salesforceのレコード更新、外部連携を含む「エンドツーエンドの業務完遂」の検証に最適です。

Q3:AIエージェントの「マルチターン(複数回の対話)」テストはなぜ重要ですか?

A:実際の業務は一問一答ではなく、対話の積み重ねで完結するからです。ユーザーによる追加条件の提示や修正に対し、AIが文脈を維持して最終目的(レコード作成等)まで到達できるかを検証しなければ、実運用での「文脈喪失による業務失敗」を防ぐことはできません。

Q4:AIが「更新した」と回答しても、裏側のデータの誤りのリスクをどう防ぎますか?

A:Provarを活用した「データベースレベルの直接検証(アサーション)」が有効です。ProvarはAIの応答テキストだけでなく、自動でSalesforceのデータベース(SOQL)を参照し、項目値やステータスが仕様通りに更新されているかを突き合わせます。これにより、画面上は正しく見えてもデータが壊れている「サイレントエラー」を検知できます。

Q5:AgentforceのPoCで、テスト担当者が優先すべき作業は何ですか?

A:AIの「限界線」を特定し、人間が介在すべき領域を定義することです。あえて複雑な業務をテスト対象とし、Provar等のツールで大量のパターンを試行して、AIがどの条件で失敗するかを洗い出します。この「失敗の境界線」を明確にすることが、安全な運用のためのエスカレーションフロー構築に繋がります。

Salesforce品質管理の統合基盤『Provar Quality Hub』を提供開始

Agentforce時代のAI・業務プロセス品質を可視化するプラットフォーム

Salesforce専用設計のテスト自動化ツール『Provar(プロバー)』の国内総代理店である株式会社アドックインターナショナル(本社:東京都立川市、代表取締役CEO:小林 常治/以下ADOC)は、Salesforceおよび
Agentforce環境向け品質管理プラットフォーム『Provar Quality Hub』の提供を開始したことをお知らせします。

Provar Quality Hubは、従来のテスト管理ツール「Provar Manager」を進化させ、テスト、自動化、DevOps、リリース判定などを統合的に管理する“品質の中枢基盤(Quality Hub)”として再設計されたダッシュボード・プラットフォームであり、自動テストエンジン「Provar Automation」や手動テストの結果、環境ごとのテスト実行管理を一元化します。

Provar Quality Hubの背景と特長

Salesforceにおける開発は、従来の画面単位・機能単位のテストから、AIエージェント「Agentforce」、外部システム連携、業務プロセス全体を対象としたエンドツーエンド(E2E)の品質管理へと急速に変化しています。このような環境では、「自動テストは成功しているが、業務シナリオの品質が見えない」、また「リリース可否を判断するための品質指標が分断されている」といった課題が顕在化しています。

Provar Quality Hubの主な特長

1. リリース判定の可視化(Release Readiness)
テスト結果、カバレッジ、欠陥傾向、環境別リスクを統合ダッシュボードで表示します。QA、開発、管理部門、ビジネス部門が共通の品質指標でリリース可否を判断可能です。

2. 自動化・手動テストの統合管理
Provar Automationによる自動テストと手動テスト結果を単一基盤で管理します。AIエージェントを含む複雑な業務フローの品質を一貫して追跡できます。

3. Salesforce DevOpsとの連携
Copado、Gearset、Jira、Azure DevOpsなどと連携し、デプロイからテスト、課題管理、再検証までを品質フローとして可視化します。

4. Agentic Enterprise時代のE2E品質管理
Provar Automationとの連携により、マルチエージェント環境、外部API連携、業務シナリオベースのE2Eテストに対応し、AIの応答性の検証だけでなく、“業務が正しく動くか”という観点での品質保証を実現します。

5. ガバナンス・監査対応
テスト証跡、実行履歴、承認フローをSalesforce上に保持し、金融・公共・大規模企業の監査要件にも対応します。

ProvarはSalesforceプラットフォームと自律型AIエージェント「Agentforce」の開発プロセスにおいて、AI機能とメタデータ駆動による高い復元力(レジリエンス)を備える、エンドツーエンド(E2E)のテスト自動化ツールです。今後、アドックインターナショナルはProvar Quality Hubを中核としたSalesforceおよびAgentforce向け品質基盤構築支援サービスの拡充なども検討し、企業のAI活用と業務変革を“品質”の観点から支援してまいります。

リリースPDF

【ホワイトペーパー】Agentforce時代の品質保証の課題とは 「マルチターン×E2Eテスト」を実現する自動化ソリューション  を公開

Agentforce時代の品質保証の課題とは 「マルチターン×E2Eテスト」を実現する自動化ソリューション

Agentforceの普及により、AIエージェントが業務の中核を担う時代が到来しました 。しかし、AI特有の動的な振る舞いや複雑なシステム連携は、従来のテスト手法では防げない新たな品質リスクを生んでいます 。

純正の「Agentforce Testing Center」はAI単体の正確性検証には有効ですが、一連の会話の流れ(マルチターン)や業務全体を網羅するE2Eテストには限界があります 。実運用では、AIの応答だけでなく、それによって引き起こされるCRMデータの変化まで一貫して保証することが不可欠です 。

本資料では、テストセンターの制限を補完し、AIと業務全体の信頼性を両立させる「Provar」の活用法を解説します 。導入時に不可欠な5つのチェックポイントや運用トラブルの防止策をまとめ、次世代の品質保証戦略を提案します 。

◆こんな方におすすめです

・Agentforceの導入・PoCを検討中のSalesforce管理者やQA担当者
・AIエージェントの「応答の揺らぎ」や「文脈の喪失」をどう検証すべきか悩んでいる方
・外部システム連携や複数ロールを跨ぐ、高度な自動テストを実現したい方
・プロンプト改訂時の回帰テストやCI/CDパイプラインへの統合を目指す方

◆以下の入力フォームをご記入の上、「送信する」ボタンを押下してください。
ご入力いただいたメールアドレス宛に本ホワイトペーパーのダウンロードURLをお知らせいたします。

    メールアドレス

    お名前

    会社名

    部署名

    役職

    電話番号

    プライバシーポリシーはこちら

    は必須項目です

    【ブログ】Agentforceの運用トラブルと、「Salesforceデータを壊さない」ための解決策とは を公開

    Agentforceの運用トラブルと、「Salesforceデータを壊さない」ための解決策とは

    SalesforceのAIエージェント基盤「Agentforce」は、対話を起点に業務処理を実行することで、CRMを単なる入力・管理システムから「判断し、実行する業務基盤」へと進化させています。一方で、PoCや初期検証では問題なく動作していたAgentforceが、本番運用に入った途端にトラブルを引き起こすケースも少なくありません。

    重要なのは、こうしたトラブルの多くがAIモデルの評価不足ではなく、Agentforceを「業務システムとしてテストしているか」に起因している点です。Agentforceは単なるチャットボットではありません。Salesforceのメタデータ、業務ロジック、ユーザー権限、外部システムと密接に結びついた業務プロセスそのものなのです。

    本ブログでは、Agentforce運用で実際に起こりやすい5つのトラブルを取り上げ、それぞれについて
    Provarがどのような役割を果たし、なぜ本質的な防止策になり得るのか、また純正のAgentforce Testing Center(テストセンター)の役割と併用パターンについて、解説します。

    Agentforceの「運用の落とし穴」とその防止策は

    Agentforceは、AIエージェントを業務フローに組み込み、対話や自動応答を通じてユーザー体験を変革する仕組みです。しかしながらその柔軟性ゆえに、実際の導入現場では思わぬトラブルが生じやすいという現実があります。
    またAIエージェントは、CRMのメタデータ、外部システムとの連携情報、さらにはユーザーごとの権限設定をもとに動作します。そのため、PoC(概念実証)段階では順調だったものが、本番環境では「応答しない」「別のエージェントが割り込む」「データ登録が失敗する」といった問題に発展することがあります。
    以下では、Agentforceの運用で特に想定されるトラブルと、その具体的な防止策を整理します。

    トラブル①:プロンプト更新後に業務フローが崩れる

    Agentforce運用では、プロンプトやLLM設定の更新は避けられません。問題は、更新後に会話の分岐条件が変わり、想定外のルートに進んだり、後続のFlowやApexが実行されなくなったりする点です。
    実務上のリスクは、応答文の表現が変わることではなく、業務としての結果が変わってしまうことにあります。

    Provarの役割:Provarでは、会話入力から分岐条件、Flow/Apexの実行、レコード更新、そして画面反映のプロセスを1本のE2E(エンドツーエンド)シナリオとして定義できます。プロンプト更新後も同じシナリオを再実行することで、「業務として同じゴールに到達しているか」を自動で検証できます。

    これはいわゆる応答比較ではなく、業務回帰テストです。そのため、プロンプト変更によって業務が壊れた瞬間を、事前に検知できなければなりません。

    トラブル②:本番ユーザー権限でだけ動作しない

    管理者権限では問題なく動作していたAgentforceが、営業担当や承認者の権限ではデータにアクセスできず、会話や業務処理が途中で止まるケースは非常に多く見られるトラブルのひとつです。

    Provarの役割:Provarは、ユーザーやプロファイルを切り替えながらテストを実行できます。これにより、営業担当として会話を開始 → 承認者として次の処理を実行 →管理者として最終状態を確認といった、実際の業務ロール遷移を含むシナリオを再現できます。

    これは単発の権限チェックではなく、「どの権限で、どの会話を経由し、どの業務が失敗するか」のライン(境界線)をE2Eで把握できる点が、実運用において極めて重要です。

    トラブル③:外部システム連携

    AgentforceはERP、会計システム、Slack、MuleSoft経由のAPI連携など、外部システムとの接続を前提に使われます。そのため、非同期処理やレスポンス遅延により、Salesforce側の状態と外部データが一致しなくなるトラブルは、実運用では避けられません。

    Provarの役割:Provarは、外部連携を業務シナリオの一部として扱う設計になっています。
    API呼び出し後のSalesforceデータ、再試行処理、最終的な画面反映までを含めて検証し、
    業務として正しい状態に収束しているかを確認できます。

    これは単なるAPIレスポンスの成否ではなく、「業務結果として正しいかどうか」をテストできる点が他のツールとの決定的な違いです。

    トラブル④:マルチエージェント構成で処理が競合する

    複数のAIエージェントが同一レコードやイベントを扱う構成では、処理順序の競合によって履歴や状態が上書きされるリスクがあります。これは単発テストではほぼ再現できません。

    Provarの役割:Provarは、時系列を意識した操作と同一レコードへの複数処理、条件分岐や順序依存を含むシナリオ型テストを構築できます。これにより、「どの順番で処理が走ると問題が起きるのか」を再現し、競合条件を事前に洗い出すことが可能です。

    トラブル⑤:会話履歴・前提条件のズレによる応答品質の低下

    Agentforceは自律的に学習し続けるAIではありませんが、会話履歴や参照データの扱いを誤ると、意図しない文脈を引きずった応答が発生します。

    Provarの役割:Provarでは、初期データ状態と会話履歴の有無、業務前提条件などをテストごとに明示的に定義・固定できます。これにより、常に同じ条件から業務を開始でき、「なぜか挙動が違う」という再現不能なトラブルを防止できます。

    Agentforceテストセンターの併用と適用パターン

    ここまで見てきたように、Agentforce運用で発生する主要な実務上のトラブルは、基本的にProvar単独で事前に再現・検知・防止することが可能です。

    では、Agentforceテストセンターは不要なのでしょうか。答えはNOです。Agentforceの品質には、AIとしての健全性(単一応答・ガードレール・禁止表現)、または業務システムとしての信頼性(マルチターン・状態遷移・業務結果)という2つの異なるレイヤーがあります。主にテストセンターは前者、Provarは後者を担います。両者は競合ではなく、役割の異なる補完関係にあります。

    両者の併用を前提に、Agentforceの導入から本番稼働までの流れの基本パターンを簡単に説明します。

    PoC段階:主にテストセンターを用いてプロンプト精度やAI応答の正確性を確認します。一方、PoC段階からProvarによる自動検証を導入することで、手動テストでは網羅できない大量の対話パターンを試行でき、AIが失敗する条件(AIの境界線)を迅速に特定できます。

    Sandbox段階:主にProvarによってSalesforceフローや外部API連携を含むE2Eテストを高度に自動化します。

    Staging段階:テストセンターによるAI応答比較と、Provarによる継続的な回帰テストを併行実施し、本番移行前の整合性を二重に担保します。

    Production(本稼働)段階:Provarを定期的な回帰・性能検証の自動ジョブとして運用。Salesforceの定期バージョンアップへの対応、また自動実行とレポート機能を活用し、AIプロンプト変更やFlow修正のたびに自動的に再テストを実施する体制を整えます。

    「AI特有の品質、健全性」の領域はテストセンターの得意分野であり、プロンプトの「微差」による比較検証や差別的な表現、会社の規約に反する回答といったハルシネーションを含むAIの倫理・安全性チェックなどは、テストセンターに組み込まれた評価モデル(LLMがAIを評価する仕組み)が適しています。

    まとめ:Agentforce運用の品質保証は新たなステージへ

    Agentforceを単なるPoCで終わらせず、本番業務で使い続けるためには、マルチターン会話と業務を一体としてE2Eで検証できる基盤が不可欠です。

    その主要な役割を担うのにProvarが最適です。そのうえで、AIエージェント単体の初期品質確認やガードレール検証には、テストセンターを併用する。この役割分担こそが、最も現実的で再現性の高いAgentforceテスト戦略となります。

    エージェントを介する運用においては、「AIが正しく会話するか」よりも、「AIがSalesforceのデータを壊さないか(Provarの役割)」のほうが、ビジネスリスクが圧倒的に高いため、Provarによる様々なリスク回避の検討は正しい方向性と言えるでしょう。

    よくある質問(FAQ)

    Q1:Agentforceの品質保証で、最も重要なテスト観点は何ですか?

    A:AIエージェントのテストの重要な観点は、単一の応答が正しいかではなく、複数ターンの会話を通じて業務が正しく完了するかです。Agentforceは会話を起点にSalesforceの業務処理を実行するため、基本的にはマルチターン会話と業務状態を一体で検証する必要があります。

    Q2:なぜシングルターン検証だけでは業務品質を保証できないのですか?

    A:シングルターン(単一応答)検証では、会話の文脈が次の判断にどう影響したか、また前の業務処理結果が次の応答にどう反映されたかを確認することができません。そのため、最終的なデータ更新や業務結果の正しさを保証できないという限界があります。ほとんどの自動化ツールは実務レベルに求められるマルチターン発話の検証に対応することができません。

    Q3:AgentforceテストセンターとProvarは何が違うのですか?

    A:Agentforce Testing Center(テストセンター)はシングルターンの応答品質やAIのガードレール確認を目的としています。一方Provarは、実務レベルのマルチターン発話とSalesforceの業務状態を同時に保持し、E2Eでシステム全体を検証する設計です。両者は競合ではなく、役割が明確に異なります。

    Q4:なぜProvarはマルチターン×E2Eテストを自然に実現できるのですか?

    A:ProvarはもともとSalesforceの状態遷移を前提としたE2E業務テスト基盤として設計されています。この「前の結果を前提に次へ進む」構造が、マルチターン会話の検証と本質的に同じため、無理なくマルチターン×E2Eテストに対応できます。

    Q5:Provarのマルチターン検証は、どこまで業務テストに含まれますか?

    A:Provarは、会話 → 業務ロジック → Flow / Apex → データ更新 → UI反映までを、1つのテストシナリオとして検証できます。したがって、AIエージェントを起点とした業務ワークフロー全体の信頼性を保証することが可能となります。

    【ホワイトペーパー】Salesforceのバージョンアップに伴う「回帰リスク」の問題 ”メンテナンスの地獄“から脱却するには  を公開

    Salesforceのバージョンアップに伴う「回帰リスク」の問題

    Salesforceは年3回のメジャーリリースによって、常に最新の機能を利用できる一方で、その裏側では既存機能や業務プロセスが意図せず壊れてしまう「回帰リスク」が開発・運用現場を悩ませています。ApexやLightningコンポーネント、外部システム連携、UI変更など、影響範囲は広く、リリース後のトラブルは業務停止や信頼低下につながりかねません。

    多くの現場では、回帰テストを自動化しているはずなのに、「バージョンアップのたびにテストが壊れる」「修正に追われて結局手動テストに戻ってしまう」といった“テスト自動化のメンテナンス地獄”に陥っています。これは、Salesforce特有の構造やリリース特性を前提としないテスト設計が原因となっているケースが少なくありません。

    本ホワイトペーパーでは、Salesforceにおける回帰リスクの本質と発生メカニズムを整理したうえで、回帰リスクを最小化するための考え方やテスト設計のポイントを解説します。さらに、Salesforce専用設計のテスト自動化ツール「Provar」を活用し、年3回のバージョンアップに左右されない“壊れないテスト資産”をどのように構築できるのか、実務に即した視点でわかりやすくご紹介します。

    ◆こんな方におすすめです

    ・Salesforceのバージョンアップに伴う回帰テストの負担を根本的に減らしたい方
    ・テスト自動化を導入したが、スクリプト修正や保守工数に課題を感じている方
    ・Seleniumなど汎用ツールでのUIテストに限界を感じているQA/開発担当者の方
    ・Salesforceに最適化されたテスト自動化の考え方を体系的に理解したい方

    ◆以下の入力フォームをご記入の上、「送信する」ボタンを押下してください。
    ご入力いただいたメールアドレス宛に本ホワイトペーパーのダウンロードURLをお知らせいたします。

      メールアドレス

      お名前

      会社名

      部署名

      役職

      電話番号

      プライバシーポリシーはこちら

      は必須項目です

      【ブログ】なぜProvarは、Agentforceの「マルチターン×E2Eテスト」を実現できるのか? を公開